今日は本について。
トルコのノーベル文学賞作家、オルハン・パムク氏の代表作『雪』、ドイツに住む我々は読むべき作品だと思います。
かなりの長編で読むのが大変ですが、時間を費やす価値のある一冊です。
ストーリーの中でフランクフルトが舞台になる箇所も出てきます。
物語の主な舞台は、トルコの都市カルスです。かつての栄華を失い、今は静寂に包まれたカルスに、主人公の詩人「K」がやってきます。表向きの目的はある事件の調査ですが、かつての恋人との再会が主な目的でした。
Kの到着直後、吹雪によってカルスは外部から完全に遮断されてしまいます。
この密室状態の中で、トルコが抱える様々な対立や政治問題が噴出します。
その中で、特徴的なのが西欧と東洋の板挟みで、自らのアイデンティティに苦しむKの姿です。
海外に長く住んでいると、自分のアイデンティティに悩むことは珍しくありません。
作中、西洋的近代的価値観と伝統的宗教観の板挟みで葛藤するKの描写がたくさん出てきます。
「どっちつかず」の悶々とした感情は、海外に長年暮らしていると経験するものだと思います。
ストーリーの中盤に起こる、劇場でのある事件をめぐる展開は、読み出すと止まらなくなる部分です。
読後にすっきりした気持ちになる小説ではありませんが、結構感情が揺さぶられます。
多感な時期に、アイデンティティや政治問題について考えるのは悪くないと思います。
特に高校生のみなさんに読んでほしい一冊です。
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